私の父は年齢とともに身心が弱り、段々と弱音を吐くようになりました。その頃から仕事一筋で頑固だった父が、母や私を含めた3人の娘を頼るようになりました。ケンカもありましたが、父が亡くなるまでの間、色々と話し合いながら過ごすことができて、父の家族に対する想いも伝わり、父の存在自体が私たち家族の支えになりました。
　一家の大黒柱として家族を守ってきた父が娘を頼るということは、様々な諦めと大きな勇気のいることだった思います。でも、私はこの月日があって良かったと心から思っております。母や私たち三姉妹、そしてきっと父も、幸せな時間を過ごすことができたのではないかと思っております。
　父が私たち三姉妹に「頼む」と言い続け、ずっと心配していた母の将来のために私たち家族は家族信託を選びました。母と私の家族信託によって、母も様々な負担が軽くなり、安心した生活を送っております。
　ご相談者様のお話を伺うと、お悩みや大事にしたいことは個々に違い、その解決手段は家族信託が全てではありません。ご本人様やご家族様が何を望まれるのか、私たちはその想いを汲み取り、大切な時間、生涯を安心して過ごせるお手伝いができればと思っています。

代表理事　小川 智美

　仏教の祖であるお釈迦様は、約2,500年前に生・老・病・死という人間の「四苦」に気付き、何不自由のない王子の身分を捨てて、修業の為出家なさったそうです。
　現代の私達もこの老い・病み、やがて死ぬという苦を逃れることはできません。寿命は延びましたが、それは老いてからの時間が長くなったことも意味しています。この時をどう生きるかが超高齢社会の私達の宿題ではないでしょうか。
　身心共に健全で充実した日々を長続きさせる為の努力をする。でもやがて認知能力が衰え、体が不自由になってゆきます。そうなった時に判断し、行動してくれる人がいてくれたら安心ではないでしょうか。その為の仕組みが「家族信託」です。
　「家族信託」では、財産管理、運用、相続対策から事業承継まで高齢者本人の為だけではなく、御家族や、従業員等周囲の人達の将来の安心の為に様々な取組みが可能です。
　私共、松野下グループでは「家族信託トータルサポートセンター」を開設し、グループ内の各種専門家のネットワークを活用して良質な「家族信託」の普及に努めております。
　ただし「家族信託」は御本人に健全な判断能力がなければ締結できません。御家族で早目に御検討なさることをお勧め致します。

理事　松野下 利代